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Current Location: Fukuoka City
Reading: 遊歩大全 by Colin Fletcher
Listening: 色彩都市 by 大貫妙子
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撮影機材のジレンマ
DCFという素材について
今週の気になる記事
Q&A
Outro
撮影機材のジレンマ
ミニマリズムがいつもハイキングに役立ってきた。ハイキングが持っているミニマリズムの要素を日常生活に応用させてきた、というのが僕の基本的なスタンスなのだけど、今回はあえて逆を考えてみたい。
両者は一方が直進方向に影響を与えるものではなく、相互に影響を与え合っていると思う。相互作用とか、シナジーという言葉が合う。
バックパッキングやハイキングをする時にいつも問題になってきたのは、撮影とそれにまつわる機材のことだった。今でも撮影機材について色々考えているし、旅に出る度に、反省点や課題がどんどん出てくる。
これは撮影者にとっては不可避の問題で、誰もがそのバランスに悩んでいることだと思うが、なるべくアイテムを増やしたくない、モノを持ちたくないミニマリストにはもっと死活問題だと思う。
撮影品質を求めると、自ずと機材重量と容量も上がる。最近は機材が小型化、高性能化しているとはいえ、ビジュアル表現は動画でも写真でもセンサーサイズとその躯体という制限から今も逃れられずにいる。
特にハイキングにおいては機材の軽量化は最重要事項でありながら、カメラが小さくなればなるほど操作性が落ちる傾向にある。押すだけのポイントアンドシュートカメラならまだしも、動画も写真も撮れる高機能マルチロール機になると、小さくなったボタンや、タッチパネルでしか使えないメニューに、自然というフィールドで悪戦苦闘することになる。
僕の直近の撮影システムは、
・iPhone15Pro
・Sony ZV-1F
・GITZOのミニトラベラー三脚
である。これが最もミニマルなスタイルで、全て合わせても総重量700gに満たない。
しかし欠点も色々とあって、その中のひとつを紹介するなら、三脚が小さすぎるが故に高さが出せないこと。
良い写真を撮ることは、望ましい正確な位置と、正確な高さにカメラをセットするところからまず始まるのであって、それをテーブルトップ用のミニ三脚ひとつでやろうとしているのだから、無理がある。もちろんそれに対処する方法はいくつかあるのだが、スピードや品質を求めるなら、レギュラーサイズの三脚を使うべきなのだ。(近いうちにまた三脚を買うかもしれない)
カメラに関しても、これまで何度フルサイズカメラとAPS-C、1インチセンサーのコンパクトカメラを行き来したことか。
結局、撮影内容や、場所によって必要な機材が変わるのは、登山の装備と同じで、ある程度広く対応しようとするなら、ワンカテゴリ・ワンアイテムの原則を忘れて、重複して物を持つことは避けられないのである。
そこで、自分が映像制作者であるならば、撮影機材と、ミニマリストであることを一旦切り離して考える必要があるのではないか、と最近旅をしていて思った。
以前は、旅の比重が100%撮影にあったため、アイテム数と重量をある程度許容しているところがあった。それからエクストリームに持たないことの心地よさに慣れたが、満足のいく映像を旅から持ち帰れないことに、不満を感じるようになった。クライアントワークをほぼ手放してしまった自分には、もう純粋作品として写真や映像を作ることしか残っていない。本来はそれを求めていたはずなのに、持たないことに寄り過ぎて、バランスを崩しているのではないかと思い始めたのである。
旅を撮る時にVLOGの要素で自らを捉える時、それは自撮りになるのであり、そこに機材は映らない。だから映像になった時点では、撮影機材を除外した自分が、自分として映っている。しかし、その旅の道中では、実際は重いカメラや三脚を抱えている。それが必要なものだと完璧に割り切れるほどのクリエイター魂はもうないかもしれないし、一方でミニマリズムを完璧に手放すこともできない。
だから今後もバックパッキングにおける機材選定は続くだろう。それは生活で使う他の道具と同じように。
よく「ミニマリスト辞めます」とか辞めましたというYouTubeネタがあるが、ミニマリズムには終わりは無いし、ビジュアル制作にも終わりはないのだ。それは生きている限り続く行為であり、生きることそのものだと思う。まあ、そう言うと大袈裟に聞こえるけど、自分は割とそういう気分でやってるのよね。
バックパッカーのバイブルとなっている「遊歩大全」にコリンフレッチャーが体験を記録すること、つまり写真について書いている章があって、1、Ansco Super Regent 35mm, レンジファインダー737g → 10年使ったがグランドキャニオンで三脚ごと風に飛ばされる。 2、Zeiss Contaflex, 一眼レフ、1106g 3、ペンタックス、TTL一眼レフ、1077g という流れで、カメラの使用履歴を述べている。最後ペンタックスに行ってるのはアウトドアマンとしてさすがだなと思った。フィールドでの耐久性と言えばペンタックスだったのだ。
三脚についてもこのように書いている。
もし単独でバックパッキングの旅をするのなら、多かれ少なかれ三脚の、あるいは実用的な代用品の助けを借りなければならない。というのも、人間の姿の入らない風景写真の連続というやつは、まったく退屈で嫌気がするからだ。つまりセルフタイマーを押してからシャッターが作動する10秒間に、どのように走って行って、どのようなポーズをとってフレームに収まるか、それについてあれこれ考える楽しみを失わないためにも、三脚が必要なのだ。
23kgのバックパックの中に、レリーズやクローズアップアタッチメント、様々な種類のフィルムまで詰めていたようだ。これはコリンが雑誌に寄稿する撮影の仕事もしていたことが大きく、今回のテーマと同様の課題を抱えていることがうかがえる。
交換レンズを持たないとか、双眼鏡を越しに撮影して望遠レンズの代わりにするとか、今でも使えそうな細かいテクニックもある。
しかし章の最後には、カメラが壊れてから、カメラをあえて持たずにフィールドに出て、写真を撮らない喜びを語っている。記憶のフィルムに風景や自然を焼き付ける。以来、カメラを持たずに歩くことが多くなり、より解放され、自由になり、時間をかけてじっくりものを見るようになったと書いている。
この気持ちはすごくわかるし、自分もあえて撮影機材を小型化、チープ化しながら、持たずに旅する喜びを味わってきた。紆余曲折して、最終的にはやはりそこに行き着くのかなと思ったり。歩くという行為を純粋に楽しみたい時はそうしたいし、今でも例えば近所の散歩などはそれにあたるなと思ったり。
DCFという素材について
今週のブログからの抜粋となります。
大手メーカーのヘヴィなナイロンのバックパックでインドネシアへ向かったのが2007年頃。それから、ナイロンコーティング素材のいわゆるペラッペラのULザックに出会うまでに長い時間を要した。中に入れる荷物を減らすよりも、まずバックパックが重いのが良くないんだ、という安直な考えで、フレームレスを選んだり、またフレームのものに戻ったり。様々紆余曲折して、2020年頃、最近キューベンファイバーというのがあるらしい、軽くて良いらしいよと山の先輩や友人たちから聞いて、ついにHyperliteのバックパックを手にする。それがDaybreakだった。
4年使っても現役で、今ではすっかりDCFの虜に。キューベンファイバーと言っていたら、「今はもうキューベンファイバーとは言わないのだよ、ダイニーマだよ」との声も聞こえてきて、なにそれ別物?いや同じらしい。ややこしいな。でもとにかく魅惑的な素材だ。今回はそんなDCFの話し。
今週気になる記事
・アップル、iPhone16発売-目玉のAI新機能は数週間以上待つ必要
米アップルはスマートフォン「iPhone」の最新機種を、最大の目玉機能なしで購入してもらうという、かつてない難題に直面している。同社は20日、最新機種iPhone 16シリーズを米国や中国、インド、オーストラリア、韓国、日本を含む約60カ国で発売するが、6月以来宣伝してきた新たな生成AI(人工知能)プラットフォーム「Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)」は搭載されていない。ユーザーは同機能が利用可能になる数週間ないし数カ月後にダウンロードする必要がある。
アメリカの大手調査会社ルミネイトの調査によると、アメリカでJ-POPの曲が再生された回数は4年前の2020年が7億6210万回。それが2022年は14億4000万回、2023年にはおよそ16億7000万回。3年で実に倍以上の伸びを見せている。アメリカでJ-POPを聴く人の95%はZ世代、つまり10代~20代の若者と見られるという。K-POPには遠く及ばないが、確実に勢いが出ているのだ。
・The Timeless Interplay Between Minimal and Classic Architecture
ミニマリズムの本当の意味は、自分の生き方にあります。当時、「ミニマリズム」はアートや建築における極めてシンプルなデザインだけを指すものではありませんでした。それはミニマリストが「私の目的は何だろう?」と自問するような生き方でした。 「どうすれば有意義な人生を送ることができるでしょうか?」 「幸せになるためには何が必要ですか?」これらの質問はアートとデザインの原動力に変わり、生活のシンプルさと美しさを建築に融合させ、深い意味と独自の美学を備えたミニマルな建物を生み出しました。
Q&A
皆さんからの質問にお答えするコーナーです。
以下のルールを守り、質問を送ってください。
件名に「今週のニュースレタータイトル+質問」と明記
1週に1回の質問まで
簡潔に書く
購読者のみ質問受付(無料・有料購読問わず)
頂いた質問はこちらのニュースレターで回答されると共に、YouTubeやPodcastで放送される可能性もあります。ご了承のうえご応募ください。
あなたからの質問をお待ちしています!
今週もYouTube、Podcastで多くのコメントや感想を残して頂きありがとうございます。またmailで自己紹介をしてくれた方にも感謝です。あなたのことを知ることができて嬉しいです。
Outro
今週は福岡県福岡市にいます。福岡は空港が都市部にあり、交通の便が良いことも有名で、福岡空港から都市部の博多駅まで地下鉄でなんと6分!これはモノレールや京急線で、東京・品川から羽田まで30分ほどかかることを考えると、ものすごく近いです。ジブラルタル空港など、市街地に突っ込むような構造の例外を除けば、世界的にもこれほど都市部に近い空港は珍しく、ロンドンシティ空港や香港国際空港でも20分かかります。(ジブラルタル空港は、車道や横断歩道に滑走路が貫いてます笑)
福岡と言えば博多ラーメンで、最近あまり食べなくなりましたが、博多に降り立つとクラシックなとんこつを食べたくなります。思いの外あっさりしていて、麺量も替え玉方式で基本少ないので、関東でいう蕎麦に近い感覚かもしれません。空港から市街地が近いので、すぐにとんこつラーメンにありつけます。福岡の次は長崎に移動して、実家に立ち寄りながら、いくつか撮影を行う予定です。
今週も祝日のため、三連休の方も多いのではないでしょうか。どんな過ごし方をしますか?時間があればお便りお寄せください。それでは良い週末をお過ごしください!